自分の気持ちに素直に生きよう(2)

梅雨に入ってうっとうしいお天気が続いていますが、幸い土曜日は
晴れたので娘の体育祭に行ってきました。
娘はもう高3で、運動音痴な方なので体育祭で活躍する姿を見る
こともないのですが、やはり私が見に来ると嬉しいようなので
保育園6年間、小学校6年間、中学・高校の6年間と計18年間
毎年運動会、体育祭には足を運びました。

      ************

起業しようと決めたとき、やはり一番の不安は経済的な問題でした。
私はまだ小学校入学前の娘を抱えていて、離婚して慰謝料はもちろん
養育費ももらわなかったので、自分と娘の生活は私一人の稼ぎに
かかっていましたので。
2月に会社を辞めて独立準備に入ったのですが、その前年の夏に
会社をやめて翻訳の仕事で独立しようと考え始めました。
ところが、特にその年齢の女性としては良いお給料ももらっていた
こともあり、その収入がいきなりなくなり、特に仕事をもらえるあて
もなく、一体二人が生活していける安定した収入が得られるほど仕事
が取れるのか、考えると不安で不安で毎晩眠れない夜が続きました。
「清水の舞台から飛び降りる」という言葉がありますが、まさに
そのような気持ちでした。

あるとき、実家の母を乗せて私が運転していると、母が「この前、
タクシーに乗ったら女性の運転手さんだった。お前は運転が
うまいからタクシーの運転手さんになれるよ」と、言いました。
母としては私が会社を辞めようと考えているとは知りませんでした
からほんの冗談のつもりだったのかもしれません。しかしその瞬間、
私は「そうだ、会社が失敗したら、タクシーの運転手になることも
できる」と思い気持ちがぱっと明るくなりました。もちろん、タクシ
ーの運転手さんだって責任のある大変な仕事で誰でも簡単になれると
いうわけじゃないのでしょうが、そのときの私は、失敗したらどうし
よう…なんて先のことをくよくよ考えていても仕方ない、それより、
子供を抱えて安定した仕事を捨てるのは、自分のわがままで子供も
リスクにさらすことになるのだから、失敗したら後は子供のために
生活費を稼ぐため何でもやってやろう!という気持ちになって、
初めて夜眠れるようになったのです。

人生で大きな岐路に直面したとき、これまでの生活や馴染んできた職場や
人間関係を変えることになるのですから、その恐怖ははかりしれません。
将来についてはもちろん確実という言葉はありません。
経済的不安、環境の変化に対する不安、周囲の理解が得られるかどうかの不安…
その恐怖で二の足を踏み、結局は行動することをあきらめてしまう人も
多いでしょう。でも、私はやはり「自分の気持ちに素直に生きる」と
いうことを優先してきたし、これからもできる限りそうしたいと
思っています。その際、これまで手にしていた色々なものをリスクにさらす
ことになるし、周囲の人(私の独立のときはまず自分の娘)にも
迷惑をかけることになるかもしれません。周囲への迷惑については
できる限り手を尽くして回避しないといけませんが、それでも
自分の気持ちに素直に従うことが、自分の人生という航海にとって
一番の追い風となるといつも思っています。