24時間働けますか?

今日も忙しい1日でした。私たちの金融翻訳の仕事は9時から5時だけ仕事をして
いればいいというものではありません。夕方東京市場が閉じると、アメリカの市場が
開け、ヨーロッパが開け・・・24時間地球のどこかで主だった市場が開いているので
すから、金融翻訳の仕事は朝晩関係なく飛び込んできます。

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昔、通訳ガイドという仕事をしていて、外国から来る観光客を連れて日本各地を案内
するのですが、忙しい年のある月は、31日のうち28日働いたことがありました。
もちろん通訳ガイドの仕事は机に座ってできることではありませんから、外国人の
お客さんと歩き、しゃべり、食べて飲んで、笑って、感動して・・・朝早くから夜遅く
まで働いて1ヶ月に28日間、よく働いたと思います。仕事は好きだし、体力には
自信がありましたけど。

でも、起業した最初の1年間ほど働いた年はありません。31日間のうち28日?
いいえ、365日のうち、本当に休んだという日は2日間だけ、大晦日と元旦だけ
だった気がします。

もちろん起業1年目は仕事がほとんどなく、実質的にお客さんに収めた仕事量は
今から比べるとものすごく少なかったにも関わらず・・・です。仕事があれば人手が
ないから自分が主体となってやる、仕事がなければ何とか仕事を取ってこようと
営業したり、あの手この手を考えたり・・・外国の雑誌のフリー記者をして副業で
稼いだりもしていました。資本金をどんどん食いつぶしていくような日々でした
から、銀行の残高が減っていくペースに駆り立てられるように、気持ちは
焦っていました。土日はオフィスは一応休みにしていましたが、気持ちは
寝ても覚めても休めなかった。いつも仕事のことが頭から離れませんでした。本当
に気持ちも休んだといえる日は2日だけだったのです。

会社に勤めていると、休み明けの月曜日に会社に行くのが辛い時がありますよね。
私も「休みは終わった、また1週間なんとか頑張らねば!」と自分を励まして会社に
向かうこともありました。ある時雑誌のインタビューで「自分で会社を始めて良かった
ことは何ですか?」と聞かれて私はすぐに「月曜日に会社に行く辛さがなくなったこと!」
と答えました。何せ仕事のことが四六時中頭から離れず、休みも気持ちは休んでいないの
ですから、月曜日になったからと言って特に辛いこともありません。でも、「じゃあ、悪
かったとこは?」と聞かれて私はこれも即答しました。
「金曜日に仕事が終わったときの喜びがなくなったこと」と(笑)。